本日の記事の見出し
なぜあなたの仮説は間違いだらけなの?
今日は
「仮説を間違える理由」
というテーマに触れてみたいと思います。
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①データから読み取るチカラ「仮説力」
②本当にその「仮説」は正しいでしょうか?
③ほとんどの人ができていない重要な行動「仮説の検証」
■思い込みではなく統計に基づく判断が必要だが・・・
以前の記事でクイズをお出ししました。
このクイズでは以下の気づきがありました。
・統計データを無視する
・ステレオタイプとの類似性だけで判断をする
・その判断はいい加減である
そして
「統計データに基づく判断が必要」
と結論付けました。
今日はさらに掘り下げて
「統計データにも誤りがある」
ということに触れてみたいと思います。
■データから読み取るチカラ「仮説力」
2つのデータがあります。
ここからあなたは何を読み取りますか?
アメリカの3,141の郡で
「腎臓がんの出現率」
を調べたデータがあります。
そうすると
「顕著なパターン」
が発見されました。
「出現率が低い郡の大半」
は以下の条件でした。
・中西部、南部、西部の農村
・人口密度が低い
・伝統的な共和党の地盤
ではあなたはこの統計データから
「どのような仮説」
を導くことができますか?
きっとこうでしょう。
「共和党の地盤であることよりも、農村部であることに着目した」
のではないでしょうか?
あなたは田舎の綺麗な環境で、このような想像をしたはずです。
・大気汚染もない
・水もきれい
・新鮮な食品が手に入る
このことから
「ガンの発症率が低い」
と考えたのではないでしょうか?
これは
「連想記憶から呼び出した結論」
と呼ばれるものです。
この答えはあなたが
「脳の熟考システム」
を働かせて出した結論です。
直感的な
「自動システム」
に頼ったわけではありません。
統計データに基づく判断は
「人間らしい熟考システム」
を働かせるという作業でもあります。
あなたはきっと、非常に理にかなった
「仮説」
であると自信を深めていることでしょう。
■では、本当にその「仮説」は正しいですか?
今度は
「腎臓がんの出現率が高い郡」
を考えてみましょう。
この好ましくない郡の大半は以下の条件です。
・中西部、南部、西部の農村
・人口密度が低い
・伝統的な共和党の地盤
このデータをもし先に見ていたら
「田舎の貧しい環境のせい」
と考えていたでしょう。
・質の高い医療を受けにくい
・高脂肪の食事
・酒とたばこの飲みすぎ
このことからガンの出現率が高いと考えたことでしょう。
この2つの仮説のカギは共に
「田舎で人口が少ない」
ということです。
全く一緒のカギとなっています。
いずれにせよこの仮説では
「ガンの出現率の高さも低さも説明ができていない」
という結果になりました。
■人の脳は統計学とは馴染みが悪い
「ガンの出現率が高い」
「ガンの出現率が低い」
これを聞いたときにあなたの脳は、自動的に反応しました。
すぐさま
「因果関係がある」
という反応です。
熟考せずに
「高い」もしくは「低い」
という結論に飛びついたということです。
そしてその後、頭を働かせて
「原因」と「結果」
を仕立て上げました。
実際には
「何の因果関係が存在していない」
としても…。
■ほとんどの人ができていない重要な行動「仮説の検証」
自分で立てた仮説は
「論理的で正しい」
と思い込んでしまうのは脳のメカニズムです。
そのためビジネスでは必ず
「仮説の反証」
が必要になります。
ここでも気を付けなければなりません。
あなたは
「当たり前だ」
と思っていることがあります。
田舎は空気が良い
田舎は医療体制が弱い
上記の実験ではこのようなことです。
あなたが当たり前だと思ったまま
「仮説の反証」
をしたらどうなるでしょうか?
自分の仮説にとって
「都合の良い情報を集める」
ことになるでしょう。
「確証性バイアス」
と呼ばれる行動メカニズムです。
一番怖いのは
「それが無意識で行われてしまう」
ということです。
本当の仮説の検証は
「意識的に仮説が間違っている」
と考え情報に向き合うことです。
人間の脳の
「熟考システム」
をさらに働かせる必要があります。
これはトレーニングを繰り返すことで可能になります。
営業の事前準備
組織の戦略立案
いずれのケースでも同じです。
私たちの脳は
「目の前の事実に都合よく飛びつく」
という反応を自動的にしてしまうと受け入れてください。
飛びついた後で
「これは自身にとって都合の良いだけの仮説である」
と立ち止まることが大切です。
これは意識をしなければできないことです。
その反面
「意識をすれば必ずできること」
でもあります。
さまざまな
「マーケティングフレーム」
などを活用する場合にも注意が必要です。
「体系的にまとまった」
と考えた時、脳は親しみやすい情報として受け取ります。
そしてそれは例え間違いでも
「正しい答え」
と自動的に認識してしまうでしょう。
テクニックだけをマスターしても
「使い物にならないものが出来上がる理由」
はこのためです。
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