今日は
「ショッピングの科学」
のシリーズをお送りいたします。
第5回のテーマは
「勘違いしているショッピングのスタート」
です。
①ショッピングはいつスタートするか?
②マーケティングの常識のウソ
③お店がやるべき「移行」への2つの対策
1つご質問です。
お店でのショッピングはどこからスタートするでしょうか?
この質問をすると
「入口を入った時でしょ」
「いやいや、入り口に入る前からだよ」
「入口の前に来た時だね」
こんな答えが出てくることでしょう。
では一緒に、お店に入る人々と見てみましょう。
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とあるスーパーに来ました。
入口が見えます。
光に反射して中は良く見えません。
ドアに何か貼ってありますが、こまごましていて内容はわかりません。
ドアの前にきました。
さてここから買い物がスタートでしょうか?
お客さんは勢いよく中に入っていきます。
さらに勢いの乗って中に進んでいきます。
数秒してようやく、歩みを緩めました。
そして周囲を見渡し始めました。
ショッピングが開始したようです。
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本当にショッピングが開始されるのは
「お店の中に入って少し進んでから」
のようです。
確かに
「お店の敷居をまたいだ途端に急停止」
する人はいません。
これをショッピングの科学では
「移行」
と呼びます。
「入口の前から、入り口を通って、買い物を開始する」
このような滑走路が必要ということです。
お客さんを観察していれば
「どこで歩みを緩めるか?」
という傾向がわかります。
その前に
「ディスプレイ」
をしてもあまり意味はなさないということです。
マーケティングの観点から
「入り口は全員のお客さんが通るから、告知には最適」
と信じられています。
しかしお客さんは
「入り口付近の情報」
には実は触れていないということです。
またこの
「移行ゾーン」
で店員が声がけをしたとします。
そうすると、買い物の準備ができていないお客さんは
「お店を後にする」
という行動をとるに違いありません。
店頭での
「キツイ呼び込み」
は逆効果になりということです。
チラシや買い物かごを
「入り口のすぐそば」
においても利用されません。
それを例えば
「入り口から3メートル先」
に設置してみるとどうでしょうか?
「みるみるうちに、無くなる」
という結果が出ています。
お店として考え無ければならないのは
・移行ゾーンには重要なものを持ってこない
・移行ゾーンをできるだけ短くする努力をする
ということです。
自分自身で買い物をするときに
「移行ゾーン」
を意識してみるとよくわかるはずです。
良くいくお店の入り口には
「こんな情報があったんだ」
ということに気づくことでしょう。
お店を経営されている方、責任者の方は
「現在の自分のお店の移行ゾーン」
を確認することをお勧めします。
そして
「情報発信のタイミング」
「棚の配置」
などを考えると良いのではないでしょうか?
今日はショッピングの科学
「勘違いしているショッピングのスタート」
というテーマに触れてみました。