老婆のたった一言の言葉にビジネスの教訓がたっぷり詰まっている
今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「オオカミと老婆」
どんな教訓があるのでしょうか?
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腹をすかせたオオカミが食物を求めてうろついていました。
とある家まで来ると、老婆が泣きわめく子供を脅して
「泣きやまぬと狼にやるよ」
と言うのが聞こえました。
オオカミは本当のことを言ってると思って、じっと待っていました。
しかしが、日が暮れても、その言葉に見合うことは何も起こりません
オオカミが立ち去りつつ独り言として言うには、
「この家の奴らは、言うこととすることが別々だ」
言葉と行いを一致させない人たちに、この話を適用できよう。
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オオカミと老婆のお話はイソップ寓話の一節です。
この話のイソップの一言ががオオカミ側に立ったものというのが面白いですね。
ビジネスにも教訓が詰まったお話です。
どんな教訓があるか見ていきましょう。
■老婆のしつけは「営業の提案の基本でもある」
オオカミと老婆のお話は
「しつけ」
をするために言った言葉をオオカミが信じてしまったという話です。
特に約束をしているわけではないので、オオカミが文句を言う筋合いはありません。
このお話で着目する点は
「老婆の言葉」
にあります。
泣いている子供に
「オオカミに食べさせる」
と脅しをしています。
子供を泣き止ますには
「泣き止んだらお菓子を上げる」
という声をかけても良いでしょう。
しかし老婆は脅す言葉で、恐怖を与えています。
この恐怖というのは
「人の行動を創り出すうえで重要なポイント」
となります。
人の脳は
「利得より損失を2倍以上強く知覚する」
という性質があります。
つまり良いことより、恐怖を喚起することで行動が生まれるということです。
上記は
「営業の商談」
で大いに活用できます。
ほとんどの営業は
「自社の良いところや、導入した後の未来」
をプレゼンテーションを行っているでしょう。
だから決まらないのです。
一般的な営業が行っている提案は、人の脳のメカニズムに適していません。
緊急な課題が健在であるお客様にしか必要とされません。
そして、その場合も関係性が高い競合に契約を取られます。
私の提唱している行動創造理論でも
「恐怖の喚起と活用」
という技術は、基礎的な部分としています。
行動創造理論の営業研修を受講したことのある人は、使いこなしトップセールスになっています。
■言葉と行動が一致しないのはウソ、だから老婆の言葉もウソ
オオカミは
「この家の奴らは、言うこととすることが別々だ」
とぼやいています。
しかし行動科学知見から見ると
「決してそうではない」
といえます。
理由は
「言葉に出したら、行動が生まれる」
からです。
もしあなたが誰かに助言をするとします。
その時あなたの口から出る言葉は
「あなたができること」
が助言として出てきます。
例えあなたが実践していなかったとしても
「あなたが想像できること」
しか言葉からは生まれません。
人の脳は想像できることしか言葉にできないからです。
実はこの点に、人の成長のヒントがあります。
口からは出来ることを発した
しかし自分は実行していない
あなたの脳は
「言葉にしたけれど、行動が生まれていない」
という不協和を感じることになります。
脳は不一致な状況を不安な状態と知覚するため
「一致させようと指示を出す」
こととなります。
つまり言ったことに合わせようと、あなたに行動するように無意識に指示を出すようになります。
すると、不思議と実行できるようになり、成果が出るということです。
老婆は子供に声をかけているときに
「やらないことを強く意識している」
状態のため行動が生まれないことです。
脳のメカニズムを先回りすることで
「仕事の成果は飛躍的に向上する」
ことがわかっています。
今日のお話は少しだけそこに触れているおはなしでした。
ビジネス寓話シリーズ
「オオカミと老婆」
をお送りしました。