今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「おばあちゃんの肩もみ」
どんな教訓があるのでしょうか?
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女の子はおばあちゃんが大好きでした。
「肩をもんであげるよ!」
と言ってよく肩もみをしてあげていました。
ある日も居間でテレビを見ていたおばあちゃんに、女の子が肩をもんであげていました。
一緒にみていたお父さんが
「お前は15分も肩もみしてえらいな」
「100円上げるからお菓子でも買っておいで」
といって100円を渡しました。
思いがけない報酬に女の子は喜びました。
翌日も女の子は肩をもんであげました。
すると女の子はおばあちゃんにこう言います。
「今日は30分してあげたから200円ね」
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■たった一言で残酷な話にすり替わる理由
女の子がおばあちゃんに肩もみをしてあげた理由は何だったでしょうか?
最初は
「おばあちゃんが大好きだから」
でした。
しかし
「昨日のお父さん一言」
が残酷な話に転落をさせてしまうきっかけとなりました。
お父さんの1言で
「瞬間に目的のすり替え」
が行われています。
この後
「もし200円がもらえなかったら…」
女の子はどう思うでしょうか?
「もし50円に減額されたら…」
女の子はどう思うでしょうか?
おばあちゃんへの気持ちが
「大好き⇒けち」
となってしまうかもしれません。
最初は
「ただ好きだから」
という気持ちで一緒にいただけです。
そして
「好きだから肩もみを始めた」
というだけです。
しかし、たった一言で
「反抗心」
を生む結果になってしまいました。
このきっかけを作ったのは
「お父さん」
です。
おばあちゃんだって
「被害者」
と言えます。
ただお父さんも
「喜んでもらいたい」
という気持ちで何気なく行った行為です。
■報酬によって簡単に消えてしまうモチベーション
原因は心理学でいう
「外発的モチベーション」
というものです。
多くの組織は
「報酬を持って人をコントロール」
しようとします。
しかし報酬を使った方法は
「同時にいくつかの問題を抱える」
ことになります。
肩もみの寓話からわかるように
「全てがハッピーな方向に行くわけではない」
ということです。
元々女の子は
「おばあちゃんを喜ばせたい」
というモチベーションで肩をもんでいました。
喜ばせたいモチベーションは
「内発的モチベーション」
と呼ばれるものです。
報酬は外からかるモチベーション
喜ばせたい気持ちは内から出るモチベーション
内発的モチベーションは
「自発的な行動」
を生み出します。
しかしそこに
「外発的モチベーションを加えると消えてしまう」
危険性があるということです。
良かれと思って
「社員にインセンティブを出す」
瞬間にモチベーションが消える恐れがあります。
脳のメカニズムがわかっている経営者なら
「絶対に取らない悪手」
かもしれません。
かなりの数の経営者やマネージャーは
「報酬」
によってモチベーションを上げようとします。
効果がないわけではありませんが
「危険性もある」
ということを知っておくとよいと思います。
たった一言で
「目的はすり替わる」
ことが教訓です。
今日はビジネス寓話シリーズ「おばあちゃんの肩もみ」をお送りいたしました。