【第12回ショッピングの科学】女性衣料品店で偶然生まれた「最悪」の主役は?

2019.07.06

 

今日は

「ショッピングの科学」

をお送りいたします。

 

第12回のテーマは

「椅子」

です。

 

①本当にお客様のニーズに対応できている?

②女性衣料品店の事例

③最悪の取り合わせを生んだ偶然の主役は「椅子」

 

 

■本当にお客様のニーズに対応できている?

 

小売店において

「お客様のニーズに柔軟に対応する」

というのは当たり前のことです。

 

しかし

「できている」

と言い切れるでしょうか?

 

「できている」

と思っても、それは思い込みかもしれません。。。

 

 

ある女性衣料店の事例を見てみましょう。

 

女性の衣料品店の対象は

「女性」

です。

 

これは当りまえです。

 

商品を選んでもらうために

「棚割」

「陳列」

「ディスプレイ」

に細心の注意を払っています。

 

しかしあらゆる女性向け衣料店で

「足りないモノ」

がありました。

 

それは何でしょうか?

 

それが今日のテーマの

「椅子」

です。

 

なぜ椅子が足りない?

となるのでしょうか?

 

ぜひご一緒にお考え下さい。

 

 

■女性衣料品店で椅子が必要な理由とは?

 

ここでピンときた方は

「お客様がよく見えている」

と言えるかもしれません。

 

なぜ椅子が必要かは・・・

 

買い物を待つ

「男性」

のためのものです。

 

どうして足りないと分かったのでしょうか?

 

それは

「男性のお客様自身が工夫をしていた」

からです。

 

お店の運営において

「お客様に工夫をさせてしまう」

というのは要求をつかみ損ねたという厳然たる証拠です。

 

衣料品店では

「男性は女性の買い物を待つ」

という光景は見られます。

 

待っている間人は何をしたいか。

 

「座りたい」

という欲求にかられます。

 

男性の皆様には共感が得られるのではないでしょうか?(笑)

 

しかし

「商業スペースの設計者」

は座席のことはあまり考えません。

 

公園の設計者は

「椅子」

については徹底的に考え抜きます。

 

・どこに置くのか

・幅はどのくらいか

・日陰に置くか日向に置くか

・通りとの距離はどのくらいか

・素材は木か石か

などなど

 

公園は利用者そのものが使う

「椅子」

ですが

 

商業施設の椅子の役割は

「公園の椅子」

の役割とは違います。

 

2人ないし3人で買い物に来た際

「買い物をしない人向け」

のものとなります。

 

■椅子がないお店だと男性が驚きの行動を取り始める

 

その衣料品店でも

「女性が買い物をして、男性が待っている」

こんな光景が数多くみられました。

 

そのお店では

「椅子」

は置いていません。

 

そんな場所に男性に居られては困るのか・・

置くスペースがなかったのか・・・

椅子があっても追われていたのか・・

 

そうして椅子のない男性は

「ある場所」

を見つけます。

 

それは

「窓枠の段差」

です。

 

広い窓の枠が

「ちょうどベンチ」

になったのです。

 

そうしてその窓に

「男性が居座る」

ことになりました。

 

誰が意図したわけでもないのですが、その窓に一番近い売り場は

「超売れ筋下着のコーナー」

でした。

 

さてご質問です。

 

この衣料品店の下着の売上は

高いでしょうか?

低いでしょうか?

 

他のお店と比べて

「ダントツに低い」

という結果になりました。

 

それはそうでしょう・・・

「わざわざ男性の前で下着を買おうという女性」

はいないと思います。

 

男性客の工夫によって

「最悪の取り合わせ」

が生まれてしまったということになります。

 

「お客様のニーズに柔軟に対応する」

というのはここまで見なければばなりません。

 

 

■【解決策】どのように椅子を設置すればよいか

 

椅子に関して言えば

・3分だけ待つ時間

・10分待つ時間

・20分待つ時間

と分けて考えなければなりません。

 

3分であれば試着室の付近

10分であればお店の前

20分であれば静かで落ち着ける場所

 

ということになるでしょうか?

 

最後にこんなデータがあります。

 

ベンチがあると

「高齢者の歩行距離が2倍になる」

ことが分かっています。

 

高齢化社会になった今

「ショッピングモールでは、より椅子の重要性が増す」

という状況と言えるかもしれません。

 

今日はショッピングの科学

「椅子」

をお送りいたしました。

著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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