【ビジネス寓話シリーズ】「どっこいだんご」あなたは見つけられる?営業に必要な2つの技術

2021.06.20

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

このお話で一番優秀なのは誰だ!?

 

 

今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

 

「どっこいだんご」です。

 

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

———————————————-

 

昔ある村に
「たつ平というのんき者の若者」
が一人で暮らしていました。

 

 

頭がぼんやりしているたつ平は、米の作り方も覚えられず、いくつになっても百姓仕事もろくにできない男でした。

 

 

心配した村人たちは、八方手を尽くして
「働き者で頭のいい良い嫁」
を世話してあげました。

 

 

春のお彼岸になり、隣村の嫁の実家へたどり着き
「団子」
をご馳走になりました。

 

 

初めて食べる団子の美味しさに驚いたたつ平は、さっそく家に帰って嫁に作ってもらおう思います。

 

 

道中忘れないように
「だんご、だんご」
と言いながら家路を急ぎました。

 

 

わが家へ帰りつく所で、庄屋さんと出会い頭でぶつかってしまいました。

庄屋さんが溝にお尻を突っ込んでしまいました。

 

たつ平は庄屋さんを起そうと
「どっこいしょ!」
と掛け声をかけたはずみで、団子の事はすっかり忘れてしまいました。

 

 

家に帰り着いたたつ平は、嫁の顔を見るなり
「どっこいしょ、を作ってけろ!」
と言いますが、もちろん嫁には何の事だかさっぱりわかりません。

 

 

ついには、やけをおこして大暴れした際に、棚から桶が落ちてきて嫁の頭にぶつかりました。

 

 

嫁が
「あいたたた、大きな団子みたいなコブができてしまった」
と言うと、たつ平は思い出します。

 

 

「そうだ!団子だ、団子を作ってくれ」
と大声で叫びました。

 

 

でも嫁はこう言います。

「うちじゃ団子は作れん、米やあわを粉にしなければならない。」

 

 

たつ平の家には
「いも」
しかありませんでした。

 

 

嫁はたつ平の手を取り
「だから田んぼや畑を作ろう」
と言ったんだよ。

 

 

それからの二人は、団子の原材料のお米を作るために、田んぼを耕すようになりました。

おかげで二人の暮らしは豊かになり、二人は末永く幸せに暮らしたという事です。

 

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このお話には
「2つ」
気づきが隠れていると思います。

 

 

■1つ目に気づきたい営業技術「目的」

 

 

まず1つ目は、目的です。

 

 

たつ平は
「田んぼや畑を作るのは面倒」
と言っていました。

 

 

たつ平も
「田んぼや畑を作れば豊かになる」
ことはわかっていたはずです。

 

 

しかし
「体を動かさなければならない」
という損失が利得を上回っている状態です。

 

 

私たちも
「健康のために運動やダイエットをしなければならない」
ということは誰もがわかっています。

 

しかし
「短期的な利益」
が長期的な利益を上回ることが多々あります。

 

 

甘いものを食べてしまう

ついついトレーニングを休んでしまう

夜中にラーメンをたべてしまう

 

 

たつ平のころから行われてきたことです。

しかしその昔より、今の方が誘惑はたくさんあります。

 

 

しかし
「短期的な利益」
が目的にすり替わりました。

 

 

「団子を食べたい」という欲求です。

 

 

団子を食べるためならば
「田んぼと畑を作る」
と行動が生まれました。

 

 

「そんな馬鹿な」
と思うかもしれませんが、ビジネスでも同様です。

 

 

営業の商談でうまく行かない時
「目的」
を少し変えるだけで、商談が動き出すことはあります。

 

 

「なぜ?」

「だから?」

 

 

この2つの言葉を商談で組み合わせ
「お客様の一番の目的」
にたどり着くことは営業の基本技術です。

 

 

■もう1つの気づきは「違和感」

 

 

もう1つの気づきは
「違和感」
です。

 

 

さて、どこに違和感があったのでしょうか?

 

 

それは
「どっこいしょ」
という部分です。

 

 

このお話のタイトルになっている所以かもしれません。

 

 

たつ平は嫁に
「どっこいしょ作ってくれ」
と頼みますが、当然何のことかわかりません。

 

 

その後、すったもんだがあって
「たんこぶから団子」
が連想されました。

 

 

2つのレベルの違う
「違和感」
が存在しています。

 

 

「だんご⇒どっこいしょ」
は違和感が大きすぎ、別の問題として脳が処理をしています。

 

 

「だんご⇒たんこぶ」
は適度の違和感により、脳が活性化しました。

 

 

もしかしたらたつ平が
「団子を作ってくれ」
といきなり言っていたら、田んぼを作る話にはならなかったかもしれません。

 

 

「そこまでするならいいや」
となっていた可能性があります。

 

 

しかし
「2つの違和感」
を通じて、たつ平のぼけた頭でも活性化されました。

 

 

その結果
「田んぼと畑を作り豊かになる」
という昔話のオチにたどり着きました。

 

 

違和感の違いは
「スキーマ一致効果」
と呼ばれる行動科学です。

 

 

営業の商談でも有効な
「少しレベルの高い技術」
です。

 

 

既知のことだけで伝えると
「お客様の脳は動かない」
となります。

 

 

しかし違和感が大きすぎると
「全く関係ない」「別の問題」
と脳は認識します。

 

 

 

提案が
「100円のジュース」
では誰も驚きません。

 

 

もちろん
「2,000円のジュース」
でも反応しません。

 

 

しかし2,000円の
「飲む化粧水」
となると、違和感を感じ興味を持つということです。

 

 

「機能性飲料」と「美容」
という既知の組あわですが、少し違和感を感じるということです。

 

 

成功例は
「クーリッシュ」
というアイスです。

 

 

「飲むアイス」
としてヒット商品なりました。

 

 

商談の中では
「適度な違和感」
を与えることが重要です。

 

 

たつ平には、違和感が偶然に起こりました。

 

 

営業では
「必然とすることで成約率が飛躍的に上がる」
こととなります。

 

 

この話で一番優秀だったのは
「嫁」
でしたね。

 

 

今日は大人気のビジネス寓話シリーズ「どっこいだんご」をお送りしました。

 

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行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
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