【ビジネス寓話シリーズ】「人間無常」営業は与え続けるから契約になる教訓

2022.11.20

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

営業の基本的な話の科学的根拠が詰まったお話

 

 

今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

 

「人間無常」

 

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

 

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昔、ひとりの旅人が洪水に巻き込まれ溺れかけていました。

旅人は流木に何とか掴まり流されていましが、蛇が溺れているのを見て助け、次に狐が溺れていたので助けました。

 

 

すると今度は人間の男が溺れていたが蛇と狐は
「人間なんか助けたってろくなことがない」
と言いましたが、旅人はその言葉に耳を貸さず男を助けました。

 

 

こうして助かった旅人と蛇と狐と男は連れ立って旅をすることになります。

転々としていくうちに長者の家に泊めてもらうことになりました。

 

 

旅人が元々医者と知った長者は旅人を医者として隣に住んでもらうことにしました。

蛇と狐は助けてもらった恩返しに診療の手伝いをしましたが、男は何もせずに過ごすばかりでした。

 

 

村人たちと長者はお金を一切取らずに診療をする医者に感謝し、野菜やお米、小判を医者に贈りました。

そんな医者を疎ましく思った男は長者に医者が妖術使いでお金を騙し取る奴と嘘をつきます。

 

 

怒った長者は医者を捕えさせ牢屋に入れてしまいました。

蛇と狐はすぐに
「あの男の仕業だ」
とわかり医者を助けるべく行動を起こします。

 

 

翌日、縁側に座っていた長者の脚を蛇が咬みつき脚が酷く腫れ上がってしまいました。

苦しんでいる長者の元に易者に化けた狐が現れ、この病気を治せることができるのは牢屋の医者しかいないと言います。

 

そして牢屋から出された医者は長者の元にやって来て、腫れ上がった脚を見て原因がすぐに分かった。

自分を牢屋から出すために蛇と狐がしたことを察知し、蛇と狐に手を合わせ感謝しました。

 

 

適切な治療のおかげで長者の脚は良くなり、嘘を話した男は捕まり医者と入れ違いに牢屋送りになりました。

 

 

結局、蛇と狐が恩というものをよく知っていて人間の方が一番の恩知らずというお話です。

 

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このお話は
「仏教の教え」
にも取り上げられるお話を、昔話テイストにしたものです。

 

 

「受けた恩は返さなければならない」
という教訓が詰まっています。

 

 

ビジネスにおいても一緒でしょうか?

では見てみましょう。

 

 

■「人にしてもらった恩は返すのが当たり前」という遺伝子がある!?

 

 

ビジネスにおいて恩を感じるタイミングはたくさんあります。

 

 

お客様に契約をしてもらった

中々上手く行かない作業を、先輩に助けてもらった

上司にわかりやすく指導をしてもらった。

他の仕事を優先しなきゃならない中、仕事を変わってもらった

子供の誕生日の夜、残業する作業を変わってもらった

 

 

社内外共に感謝をする場面はたくさんあります。

あなたは恩返しをしていますか?

 

 

物語では
「恩返しをするのは人ではなくキツネや蛇」
とありましたが、本来は人間も無意識のうちに恩返しをする生物です。

 

 

「返報性の法則」

 

こちらを聞いたことは無いでしょうか?

 

 

「他の人から何かをしてもらったときに、同じようにお返しをしなければならない」
という心理効果を指します。

 

 

人は太古から
「群れを成して生活をする生き物」
です。

 

 

群れの中の関係をよくするためには
「自分だけ得をした状態」
では上手く行かないので、お返ししたくなる遺伝子が存在します。

 

 

ビジネスシーンでも活用されています。

 

 

試着の場面が顕著です。

 

 

合うサイズを倉庫から探してくれた

合いそうなコーディネイトを提案してくれた

在庫品があるかどうかを確認してくれた

 

 

あなたのオーダーの対して、てきぱきと動いて対応してくれます。

 

 

あなたも
「ここまでやってもらったから…」
という心理が働き買う特決断をすることがあったと思います。

 

 

そのほかにも試食やSNSの「いいね」なども同じように
「返報性の法則」
が関わってきます。

 

 

■返報性の法則は良いことだけでなく、悪いことも同様に返される

 

 

しかし返報性の法則は
「良いことに対してだけではない」
と覚えておくと良いでしょう。

 

 

「敵意の返報性」
というのも同じように存在します。

 

 

悪口を言われたら返したくなる

横柄な態度を取られたら返したくなる

冷たい扱いをされたら返したくなる

 

 

上記も同様に起こります。

態度の悪い店員からは買いたいと思わないのも、返報性が作動していることがあります。

 

 

営業では
「まず自分から与えなさい」
と指導をされたことがあると思います。

 

 

マネジメントでは
「上司から歩み寄りなさい」
と指導をされたこともあるでしょう。

 

 

道徳的なお話と思っている人もいるかもしれませんが
「行動科学の裏付け」
があることです。

 

 

ただし、見返りを求めてはいけません。

動物的本能であなたの浅はかな態度や行動は簡単に見抜かれます。

 

 

最後に
「自ら与えるというのが難しい」
と思う人へお伝えします。

 

 

そんな人は
「誰かからの親切」
を敏感に感じ取るようにしてみると良いでしょう。

 

 

親切にされたという情報によって
「あなたの中の遺伝子が返報性の法則」
を発動させてくれます。

 

 

無意識のまま、誰かの役に立つ行動が出来るかもしれません。

 

 

成功者たちの行動がすごいのは
「誰かへの感謝」
を常に感じているからなのかもしれません。

 

 

物語の医者にならなくとも
「蛇やキツネ」
にならなれるでしょう。

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ
「人間無常」
をお送りしました。

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行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
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