お婆さんが赤ん坊になって教えてくれたこと
大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
今日のお話は
「赤ん坊になったお婆さん」
です。
どんな教訓があるのでしょうか?
————————————–
昔ある所に、たいそう年を取った
「じい様とばあ様」
が住んでいました。
ある日、じい様が山へ薪(たきぎ)を取りに行きました。
山の中で道に迷ってさまよううちに
「小さな泉」
を見つけました。
喉が渇いていたじい様がさっそく一口飲んでみると、じい様はどんどん若返っていきました。
なんとそれは
「若返りの泉」
だったのです。
若者になって帰ってきたじい様を見て、ばあ様はびっくり仰天。
ばあ様は、明日には自分も泉の水を飲んで若返る事を楽しみして、その晩は眠りました。
そして翌朝一番に起き出して
「一人で若返りの泉」
に向けて出発しました。
じい様は、若返ったばあ様が帰るのを楽しみに待っていました。
しかし夕方になってもなかなか帰ってきません。
心配したじい様が泉まで迎えに行くと
「裸の赤ん坊」
がオギャーオギャーと泣いていました。
ばあ様は、じいさまを喜ばせようと
「たらふく水を飲みすぎて」
若返りしすぎてしまったのです。
ばあ様を抱いたじい様は
「赤ん坊のお世話」
でたいそう忙しくなったということでした。
————————————–
このお話は
「じい様とばあ様が若くなる」
というお話です。
なぜ
「若さ」
を取り戻したくなるのでしょうか?
ちなみにあなたは今、何歳でしょうか?
このコラムをご覧いただいているということは、恐らく社会人だと思います。
少なくとも
「20年以上」
人生を過ごしてきた方々です。
「あの頃にもどれたら・・・」
という話をしたこともあるかもしれません。
しかし私たちには
「若返りの薬」
はありません。
ただし医療の発達により
「長生き」
をすることはできるようになりました。
「人生100年時代」
と言われて定年後も何十年も時間がある状態です。
その時間を趣味などの時間に当てられるひとは一握りで
「多くの人は生活を考えなければならない」
そんな時間になります。
組織の中で活躍してきた人も
「その枠から離れた時」
どうしたらよいかわからないということもあるかもしれません。
「今更、新しいことなど・・・」
と考えるかもしれません。
この寓話にあるように
「若返る」
ということはできません。
しかし
「成長」
ができるということは脳科学で証明されています。
■人は何歳になっても成長できる
身体は若返ることはできなくても
「能力」
は何歳になっても成長させることができます。
これはあらゆる研究で科学的に証明されています。
それを止めてしまっているのが
「自分自身の先入観」
になります。
このやり方でやってきたから・・・
今まではこれでうまくやってきた・・・
これが私のやり方だから・・・
上げていけばキリがありません。
これは
「ヒューリスティクス」
と呼ばれ偏った意思決定を作るものです。
以前、上手くいったことをそのままやって上手くいくなら、こんな楽なことはありません。
「年を取ったから変われない」
というのは頑固でも何でもありません。
行動科学の見地からみれば
「怠け者の行動」
になります。
生意気なことを言っているかもしれませんが
「70を超えても向上心の塊」
という人は経営者の中でいえば結構います。
ばあ様は水を飲みすぎて
「赤ん坊」
になってしまいました。
年齢に関係なく
「まっさらな気持ちで物事に取り組むべき」
ということを言っているのではないでしょうか?
10代
20代
30代
どんな年代でも一緒だと思います。
寓話の主人公が、じい様とばあ様なので
「年配の人向けのお話」
と思いがちですが、決してそんなことはないでしょう。
「いつだって成長のチャンスはある」
「いつだって変化のタイミングである」
こんなことを教えてくれた寓話ではないでしょうか?
今日はビジネス寓話シリーズ
「赤ん坊になったばあ様」
をお送りいたしました。