本日の記事の見出し
現代であれば非常に優秀なビジネスパーソンであったことでしょう。
今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りします。
「魂を取る亡者」
どんな教訓があるのでしょうか?
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昔、ある所に仲の良い夫婦が住んでいました。
夫はいつも機織りをしている女房に
「昔からの言い伝え」
を聞かせていました。
「夜、機を織ると、あの世の亡者に魂を取られることがある。どうしても夜中に機を織る時は、口に小刀をくわえて織れ。」
ということでした。
夫が隣村で用事を済ませたのですが、家に帰るころには夜も更けて、おまけに外は大粒の雨が降っていました。
夫は笠をかぶり、家路を急ぎます。
ところが、森の中の墓地を通った時、二人の亡者に出くわしてしまいました。
夫は恐ろしかったが、ここで自分が生身の人間とばれたら魂を取られると思い
「自分もたった今死んだばかりの亡者だ」
と嘘をつきました。
ならばその証拠に頭を見せろと言い、亡者は夫の頭に手を伸ばします。
なるほど久葉笠をかぶっている。さらに、足を見せろと言う亡者。
夫は咄嗟に、亡者が踏んでいる自分の杖を指して、それが自分の足だと言いました。
なるほど、足も骨になっている。
亡者たちは納得して、自分たちの後に着いて来るように言います。
亡者は
「この先の家によく機を織る女がいるので、これからその女の魂を取りに行くのだ」
と言います。
夫はどうやって女房を助けようかと考えました。
家では女房が機を織っています。
しかし幸い口に小刀をくわえているので、亡者は手出しが出来ません。
ところが、女房は疲れてウトウトし始め、口から小刀を落としてしまいました。
亡者はこのスキを見逃さず、女房から魂を取ると袋の中に入れてしまいました。
夫はここで、隣の家にもっとべっぴんの女がいるので、今度は自分に魂を取らせてくれと言います。
亡者から女房の魂が入った袋を借りて、裏からこっそり家の屋根に登ると、大声で鶏の鳴きまねをしました。
これを聞いた亡者たちは、夜明けが来たと思い、大慌てで逃げて行きました
こうして、夫の咄嗟の機転で女房は命びろいしたのでした。
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日本の昔話です。
自分の魂も女房の魂も、機転を利かせて亡者から守ったお話です。
昔ながらのヒーローのお話といって良いでしょう。
■現代であれば夫は非常に優秀な営業マンになれる理由
このお話の夫は現代であれば
「非常に優秀な営業マン」
となっていたことでしょう。
なぜ、夫は優秀な営業になれるのでしょうか?
まず1つ目は
「亡者の仲間だ」
としたところです。
もしあなたが同じ状況だったら、どうしていたでしょうか?
・隠れる
・逃げ出す
・戦う
恐らく、いずれの選択も失敗に終わったことでしょう。
夫は
「仲間だ」
としたのですが、この選択は営業に置き換えても非常に重要です。
人は自分と同じと感じたものに心を開くという性質があります。
生物の本能と言っても良いでしょう。
(亡者は生物ではないかもしれませんが…)
営業において関係性を構築するには
「お客様と同じである」
という表現が出来ることが必要です。
営業においては最低限のスキルと言っても良いでしょう。
このお話の夫は亡者に対しても行ったということです。
現代であれば、優秀な営業であったことは間違いなさそうです。
素晴らしい営業術を身につけています。
■物語を違う角度からみることで、新たな教訓を見つけることに
夫は出かける前に女房に
「小刀を口にくわえておくこと」
と指示を出しています。
事前準備がしっかりしている優秀なビジネスパーソンです。
また指示の出し方も、明確でわかりやすいですね。
またその準備が上手く行かなかったときも
「課題を再構築をして別の対応を瞬時に取る」
ことをしました。
子供向けのお話だと、淡々と進むのですが
「ビジネスシーンに置き換える」
と非常に優秀な行動であることがわかります。
昔話には
「心構えや考え方の教訓」
が多くあります。
しかし少し視点を変えると
「自分の仕事に直接かかわる教訓」
を見つけることが出来ます。
視座を鍛える意味でも、違う視点から物語を読んでみるのも面白いかもしれません。
今日はビジネス寓話シリーズ
「魂を取る亡者」
をお送りしました。