【ビジネス寓話シリーズ】「ロバとロバ追い」1番初めに負けていく営業スタイルの話

2023.02.05

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

ビジネスと営業の勝ちと負けをあなたは理解していますか?

 

 

今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りします。

 

 

「ロバとロバ追い」

 

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

 

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一頭のロバがロバ追いにひかれていました。

 

 

ロバは自分が少し先に立った時、平坦な道を外れて崖に向かいました。

崖から真っ逆さまに落ちそうになったので、ロバ追いは尻尾をつかみ、引き戻そうとします。

 

 

ところロバがしぶとく抵抗するので、尻尾を放して言うには、
「勝ちたければ勝ちやがれ。勝てば運の尽きだぞ」

 

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このお話はイソップ寓話の一節です。

 

 

イソップ寓話では
「ロバは愚か者の役回り」
で書かれています。

 

 

このお話でも
「勝つために、がけから落ちる」
という愚かな選択をしています。

 

 

ビジネスではどんな教訓があるのでしょうか?

 

 

■ビジネスで「勝つ」というのは何を指す?

 

 

ビジネスで言う
「勝ち負けの結果」
はどこで出るでしょうか?

 

 

わかりやすいのは
「業績」
になるでしょうか?

 

 

競合とのシェア率

予算と実績

昨年の数字と今年の数字

 

 

比較対象が明確で数値化されるので
「業績」
を対象にするとわかりやすいですね。

 

 

そして業績をあげるには
「営業の商談」
が必要になります。

 

 

1件の商談の勝ち負けもわかりやすいですね。

 

 

提案が採用されれれば勝ち

提案が拒否されれば負け

 

 

さて、あなたが商談で勝つために、何を行っているでしょうか?

 

 

商談の中で
「お客様に勝つ」
ということをしていますか?

 

 

お客様の意見を否定して
「私は〇〇だと思います」
と主張をして勝っているでしょうか?

 

 

多くの営業はNOと答えるでしょう。

 

 

お客様の意見に対しては
「私もそう思います」「おっしゃる通りです」
といって、機嫌を損ねないようにしているのではないでしょうか?

 

 

つまり商談中は
「お客様の意見を勝たせる」
ということです。

 

 

自分は引いて、負ける状態を創るとしているのではないでしょうか?

 

 

商談中にお客様を勝たせないと
「最終的に勝てない」
と思っているからです。

 

 

しかし、商談中に選んだ負けの選択は、そのまま失注へとつながります。

 

 

■最も多い営業タイプが一番先に負けていく理由

 

 

お客様の意見を認めていると、なぜ失注になるのでしょうか?

 

 

最大の理由は
「お客様の購買体験の変化」
にあります。

 

 

2つ前の市場では
「お客様は情報を持っていない」
という状態です。

 

 

「お客様の持っていない情報を届ける」
ことが営業で求められることでした。

 

 

ただ、情報が簡単に手に入るようになります。

インターネットで検索すれば、ほとんどの情報が手に入ります。

 

 

そして1つ前の市場では
「課題に対する解決策を手にする」
ことが重要になります。

 

 

ただ課題を解決する方法は
「お客様自身がわかっている」
という状態です。

 

 

課題も特定できて、解決するための情報を持っている状態です。

 

 

そこで営業に求められることは
「お客様の意見を肯定し後押しをする」
ということになります。

 

 

そのため
「関係性型の営業」
が活躍が出来る市場です。

 

 

しかし景気が悪化し、予算が限られてくると状況が変わります。

関係性型の営業は全く数字が上がらなくなります。

 

 

景気が悪化すると予算が限られます。

当然、実行できる施策も限られます。

 

 

限られた施策を実行するとき
「お客様は何を指針にするか?」
ということです。

 

 

少なくとも自分が考えたものではありません。

なぜならば、よりリスクを回避しなければならないからです。

 

 

また課題も複雑化しているので
「何を改善すればよいか」
の自信が持てない状況です。

 

 

上記の状況で
「お客様のおっしゃる通りです」
としていて提案が採用されるわけがありません。

 

 

お客様が求める購買体験が変わっているからです。

 

 

今の市場では
「商談中も営業は勝ち続ける必要がある」
ということです。

 

 

お客様が
「〇〇だと思うんだよ」
という意見に対して、否定をする強さが必要です。

 

 

もちろん、言い方は気を付けてくださいね。

 

 

今、急速に数字が上がらなくなっている営業は
「関係性型の営業」
です。

 

 

しかも割合は一番多い営業スタイルです。

なぜならば、一番楽だからです。

 

 

営業スキルがそれほど必要なく
「お客様に好かれていればよい」
という営業スタイルです。

 

 

景気が悪い時に
「弱い営業を頼ろうとする組織」
は存在しません。

 

 

2030年には営業の半分が職を失っていると考えられています。

真っ先に失っていくのは、勝てない営業であることは間違いないでしょう。

 

 

自らがけに向かっていたロバのようですね。

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ
「ロバとロバ追い」
をお送りしました。

 

 

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行動創造理論第一人者
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