今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「ネズミとイタチの戦争」
どんな教訓があるのでしょうか?
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ネズミとイタチが戦争をしていました。
いつもネズミが負けてばかりでしたがいたが、協議した結果
「そんな目に遭うのは指揮者がいないからだ」
となりました。
そこで選挙をすることにして、将軍を何名か選び出しました。
将軍は他の者よりも目立ちたいと思い、角をこしらえて取りつけます。
戦いが起こったが、またもネズミ軍の負けでした。
他のネズミはすべて壁の穴まで逃げのび、容易にもぐりこみましたが、将軍たちは角のために入ることができず、捕まって食ベラれてしまいました。
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このお話は
「イソップ寓話」
の一節です。
原文では
「虚栄心が身を亡ぼす」
という教訓で締めくくられています。
ではビジネスではどんな教訓があるのでしょうか?
■指揮官が目立とうとした瞬間に、組織は失敗の道をたどる
「指揮官を目立たそうとする」
ことが失敗の始まりでした。
物語では
「角を付けたために穴に入れなかった」
ことが失敗となっています。
ビジネスの現場では
「マネージャーが目立つ組織では人材が育たない」
ことになります。
そもそも組織内で
「上司と部下の適切なコミュニケーション」
がはかられていないことも多いでしょう。
4半期や半期に一度の
「評価のための面談」
でしか公式のコミュニケーションがとられていない組織が多数あります。
しかし数少ない場であっても
「自分の意見が強いマネージャー」
ばかりです。
自分の意見が強くなる理由は
「情報量」
にあります。
自分に関すること
部下に関すること
お客様に関すること
上記で管理職が一番持っている情報は
「自分のこと」
となります。
当然部下も同じで持っている情報は
「自分のこと」
が一番多くなります。
情報の非対称性が起きていいるので
「適切なコミュニケーションがとられない」
ことになります。
多くの組織では残念ながら
「立場の違いが意見の強さ」
となることが多く存在します。
ネズミとイタチの戦争で
「指揮官が穴に入れずに食べられた」
というのは意見が強すぎるマネージャーやリーダーではダメだと伝えてくれています。
■同じ出来事でもやった人と見ている人では事実が異なる
もう1つマネジメントの教訓を見てみましょう。
ネズミとイタチの戦争では
「行為者-観察者バイアス」
というものがあらわされています。
人の脳は個人の行動を推測するとき
「能力や性格など内的な物の影響を重視する」
というメカニズムがあります。
逆に言えば
「状況や環境などの外的な影響を軽視する」
ということです。
脳のメカニズムなので
「無意識に行われている」
こととなります。
営業部門の上司と部下で見てみましょう。
売れない営業がいました。
上司から見れば、本人に問題があるのに、営業自身は周りのせいにします。
当事者は自分の責任だと思いません。
観察者は本人のスキル不足だと考えます。
よく見られる現象です。
無意識に判断をしているうえに、自分の意見は正しいと思い込むメカニズムもあります。
一度
「部下の能力が足りない」
とセットされると、その意見を支持する情報しか頭に入ってこなくなります。
さらに
「部下の能力不足」
という見方が凝り固まるということです。
ネズミとイタチの戦争の話では
「角を付けたネズミが穴に入れない」
という失敗があります。
行為者は「角」という環境に着目します
観察者は「穴に入れない」という行動に着目します。
「行為者-観察者バイアス」を避ける方法は1つあります。
能力と環境に分けたシートを創るだけです。
情報を入れる箱さえ作ってしまえば、人の脳は埋めるために必要な情報を見つけるようになります。
そしてシートが埋まった時には
「両面からの評価」
がしっかりとできるようになります。
脳のメカニズムは本能からくるので避けられません。
ただ、先回りして活用することができます。
その方法を知っていると知らないとでは
「ビジネスの成果」
には大きな差が生まれています。
今日はビジネス寓話シリーズ
「ネズミとイタチの戦争」
をお送りしました。